2015年11月12日
セミナー開催について
重度の虫歯を患った数多くの患者さんを快方に導いた根管治療「RET深田法」を、当院だけでなく他の歯科医の方に習得していただくために研修会を定期的に開催しております。この研修会を通して、一人でも多くの根管治療を必要とする患者さんが、正しい治療を受けることへの一助となれば幸いです。
以下に、「RET深田法」についての概要をまとめましたので、ぜひご一読ください。
RHEOLOGICAL ENDODONTIC THERAPYとは
「"RHEOLOGICAL ENDODONTIC THERAPY"という言葉は、私、深田邦雄が1979年7月11日、財団法人理化学研究所(生物物理・生体高分子物理研究室)の合同セミナーの講演において、研究中のテーマとして初めて発表しました。その研究の核となるウォームガッタパーチャテクニックは 、RHEOLOGICAL ENDODONTIC THERAPY の第一歩として重要な役割を果たしました。
しかし、私が最も苦心したことは、これらが、当時の歯内療法学の概念で全く論じられることではなかったことです。ウォームガッタパーチャテクニックを正しく発展させるには歯内療法学では、未踏の領域だった"まったく新しい概念、すなわち"RHEOLOGY"という学問でその理論を説明されなければならないことでした。
このRHEOROGYを応用したことで、根管治療の質が格段に上昇し、治療後の経過が良好となりました。私は、この治療法にRET深田法と名付け、現在に至るまで数多くの患者さんが治癒へと向かうお手伝いをさせていただくことができました。」
医療技術は患者さんのためにある
「ひとつの技術を修得することは容易ではありません。しかし、技術そのものを修得したとしても、時として技術は自己目的化してしまう恐れがあります。特に、その傾向は、技術力のある歯科医の方に多いように思われます。しかし、医療技術は本来サブシステム的技術であるはずです。もし、技術が自己目的化すれば、医療者は医療の主目標の全体像を見失う危険性をはらんでいることを忘れてはなりません。
RET深田法の受講を機会に、歯内療法に「安全」で「予測性」のある治療技術を確立し、患者さんの信頼を勝ち得る有力な武器として育てていくとともに、歯科技術をトータルな医療システムの中で把握する視点を養っていただければと思います。
皆さんもご存知のように、これからの歯科医療には、それなりの厳しい状況が待ちうけていると思われます。人間として価値あることは、より多くの人を善導することです。それは患者だけでなく"眠っている"多くの歯科医も含みます。しかし、自らが変革することなく周囲を変えることはできません。限りなく「透明な知性」を育てていただき、未来の歯科医療を構築し、真の信頼厚き歯科医として育っていただくことを切望します。」
深田邦雄